日記 田んぼ

熊野の秘境 – 棚田の荒廃と自然の調和

熊野地方、その深い山々を歩くと、時が止まったかのような風景に出会います。かつては稲作で賑わった土地が、今では自然の中で静かに時を刻んでいます。この記事では、その神秘的な熊野の自然と、忘れ去られた棚田の美しさをお伝えします。

私が最初に足を踏み入れた時、その光景には圧倒されました。長い時間をかけて形成された棚田は、もはや米作りの場ではなく、大きな杉の木々がそびえ立つ荒廃した文明のようでした。棚田の石積みは、まるで古代の城壁のよう。そこに生い茂る大木たちは、何十年もの間、人の手が入らずに育った証です。

年に一度、私たちは山の取水口まで登り、取水口と途中のパイプを確認するためにこの地を訪れます。水が山から問題なく流れ出てくるかを見るためです。登山の途中で、急に視界が開ける場所に遭遇します。そこは、かつて米を栽培していた石積みの田んぼ。数十年の間に栽培されなくなった棚田には、今や大きな杉が幾本も生えています。

この棚田は、大きな石積みで作られており、初めて目にしたときは、ここがかつて田んぼであったとは想像もつきませんでした。まるで、昔城が建っていたかのような雄大さです。このような場所は、一般の旅行者には中々見ることができない貴重な場所。熊野地方の独特な地形が生み出した、この地域ならではの景色です。

海外の方はもちろん、日本の方にもぜひこの風景を見ていただきたい。熊野の秘境、そこに息づく自然と歴史の調和を感じてください。

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